デスティネーション AI: 今日ホテルはどのようにAIを導入しているか

デスティネーション AI: 今日ホテルはどのようにAIを導入しているか

Destination AI: How hotel companies are deploying AI today

(2025年10月7日)

Source: Hotel Management

Source: Destination AI

米国・ワシントンDCで9月に開催されたホテル関係者向けのAIカンファレンス、デスティネーションAIでホテル関係者から「AIは今ここにあり、使いはじめた方がいい」というメッセージが唱えられました。

あらゆるセグメントのホテル企業はAIを検証しており、オペレーションコストの削減、ゲスト向けのパーソナライゼーション、検索やスタッフ配置などの事例で試行を行っています。

Sageホスピタリテイの技術主幹兼マーケティングオフィサーのマット・シュワルツ氏は「多くの企業は多数のAI商品に囲まれ、混沌の中に居ます。」と言います。その中から優先すべき事を見つけ出すのに、「まず落ち着いて、企業の中で解決したい重要な事業課題を3つから5つ挙げます。その中から課題を解決できそうな適切なAIツールを選択し、試行します。」と助言します。

簡単に達成できる目標:効率化と費用削減

ホテル企業にとって直近の課題は明確です:オペレーションの効率化です。IHGホテルズ&リゾーツのAIとイノベーション担当バイス・プレジデントのシンシア・ザバラ氏は「AIでオペレーションの効率化を図るのは考えるまでもなく自然で、AI利用で価値を高めるために、どの業務に活用するか考える必要があります。高負荷の繰り返し業務、定型的な質問への回答、要求に対する処理、などはAI活用場面の候補です。」と言います。

ウィンダムホテルズ&リゾーツのホテル技術戦略とサービス担当バイス・プレジデントのジョシュ・ダウ氏はコールセンターではAIの活用で大きな費用削減効果が期待できると言います。毎週ある何千もの問い合わせはゲストによる予約の確認で、ほとんどは利益を生みませんが、膨大な対応費用がかかります。「簡単に効果が比較できます。もしAIがこれらの問い合わせに対応できたら、対応費用の削減ができ、スタッフはより付加価値の高い対応に専念できます。」とダウ氏は言います。

費用削減は重要ですが、ホテル企業のリーダーはAI活用のほかの場面としてゲストが旅行を思いついた時点から滞在前、滞在中、滞在後までゲストのジャーニー全体の体験向上を挙げます。ハイアットのデータ、分析、AIと戦略担当バイス・プレジデントのレイ・ボイル氏は「今、ゲストの選択枝は多様に変化しています。どのように計画を立て、どのように予約し、どのようなサービスを提供すれば良いのか?これら全てに対応したいと思います。

これを実現するためにAIは不可欠だと考えています。」と言います。

ウィンダムのダウ氏はOTAから予約の主導権を取り戻すのにAI利用の可能性を考えています。「AIの利用で直接予約でのコントロールができ、ファーストパーティのゲストデータを取得し、OTAへ支払うマージンを減らすことができる。」と言います。

ホテル企業はAI検索の伸びに備える戦略も必要です。オンライン検索と顧客獲得支援企業MilestoneのCEO アニル・アガワル氏は2026年末までに検索エンジンの半分はAIに移行すると言います。

ヒルトンの分析、データサイエンス担当バイス・プレジデントのマシュー・ウィルソン氏はいくつかの事例でAI検索はすでにグーグル検索の4倍利用されていると指摘します。アガワル氏とウィルソン氏によると、AI検索の結果は従来の検索によるSEO(サーチエンジン最適化)の結果と違い、ホテルはAI検索の言語を理解する必要があると言います。

営業とスタッフの省力化

AIにより、営業活動も変化しています。ハイアットのボイル氏はかつての営業部隊は多くの時間を引き合いの精査と提案書の作成に割いていたが、現在は生成AIが最初の定型の提案書作成ができ、スタッフは高額の案件に注力できると言います。

Sageのシュワルツ氏は「人事採用でも大きな効果があります。AIにより面接する人材を事前に選定してくれます。」と言います。

AIありきの文化を創る

技術だけでは十分ではありません。ホテルの幹部は全員、文化、トレーニング、ガバナンスの重要性を強調しました。チョイスホテルでは2023年にデータ・ディスカバリー・プログラムを開始し、現在では働いているメンバーの間でAIがいつでも利用できる環境を作っています。チョイスホテルの事業戦略と分析担当バイス・プレジデントのリンゼー・リスゼウスキー氏は「私たちはAIを見て知ることができる環境を作りました。すべてのレベルで働いている仲間はこれらのツールで何が出来るか、知ることができます。」と言います。

ザバラ氏もこの取り組みに賛同し、「すべての働く仲間が日々の業務の中でどうAIを取り込むか、考える習慣をつける必要がある。」と言います。一方で規制のガードレールと利用のガイダンスも必要です。ウィンダムホテルではガバナンス委員会を作り、小さな成功体験に脚光を当て、イノベーションを推奨する風土を作っています。

マリオットボンヴォイのホームズ&ヴィラの商品とデジタルイノベーション担当バイス・プレジデントのニティン・スード氏は従業員の中の関心の高さが重要な要因になると言います。「AIによりアイディアからプロトタイプを作るのが容易になります。人々は何が受け入れられ、何が規制対象かわかっていれば、個人の興味は進化を生みます。」と言います。

次の段階は?:ゲストジャーニーの再定義

ホテル企業のリーダーは人々の旅行での検索、予約、体験の仕方をAIが根本的に変えると信じています。ゲストジャーニーは会話型になり、よりパーソナルになり、操作が減ります。ゲストが従来の検索エンジンより会話型の問い合わせからはじめれば、人々の旅行計画の立て方、体験の仕方を考え直す必要があります。

人間によるホスピタリテイは常に求められます。「AIは仕事を奪うのではなく、業務を変えます。ホスピタリテイは人工のみでは実現しません。人は人と話したいと思います。」とウィルソン氏は言います。

ザバラ氏は「私たちは多くの機会の入り口に居ます。AIの価値を最大限に引き出すのは誰か?の競争がはじまったばかりです。」とまとめました。

出典:

Hotel Management

  • <https://www.hotelmanagement.net/tech/how-hotel-companies-are-deploying-ai-today>

参考情報:
Destination AI

  • <https://www.destinationaiforum.com/>

(注) 本記事は海外のホスピタリテイ業界関連情報をもとに、要約し翻訳してご提供しています。原文については、出典元をご参照願います。記事内の企業名、写真、ロゴは各社様に帰属します。本記事の開示先を限定しております。開示先以外への転用、公開は禁止させていただきます。

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