なぜ大手ホテル企業がAppストアを利用せず、モバイルウォレットを提供するのか(後半)

なぜ大手ホテル企業がAppストアを利用せず、モバイルウォレットを提供するのか(後半)
Why This £2.2B Hotel Enterprise Is Bypassing App Stores for Native Mobile Wallets – Part 2

(2026年8月4日) by Michal Christine Escobar

Source: Hospitality Technology

Source: IHG Hospitality Technology

ホテル技術の中で、ホテルブランドの専用アプリは頭打ちになってきています。ホテルアプリのダウンロード率の低さだけが問題ではなく、1度しか泊まらない会員向けの運営にも問題があります。

欧州でラディソンパークプラザホテルを運営する大手ホテル不動産企業のPPHEグループはホテル向けアプリを提供するHudiniと提携し、ホテル専用のスタンドアロンのソフトウェアを開発するのではなく、ホテルシステムの回りで機能を提供できるシステムを設計しました。同社は旗艦ホテルである1,000室を超えるパークプラザ ウェストミンスターブリッジ・ロンドンをはじめ欧州で運営する17軒のホテルではAppストアは利用しません。ダウンロード不要のWebアプリ機能とAppleとグーグルのウオレットキーシステムを提供します。また、セルフサービスのキオスク導入とオープンAPIによる基盤でフロントロビーの混雑解消とバックヤードでのデータの分断を解消しています。

PPHEホテルグループで技術及びビジネスソリューション担当のシニア・バイスプレジデントのジャワッド・サビヤ氏に聞きました。今回は前回に続く後半です。

Q4: PPHEがパートナー選定のプロセスでHudiniを選定する大きな決め手となったのはPPHEのもつ幅広いデータの統合とAI機能でした。どのように統合されたゲストデータレイヤを会話型のAI機能やパーソナル対応の購買機能に活かしますか?
 長期的なAI戦略にとって統合されたデータ基盤を作ることは重要です。今までは、重要なゲスト情報は複数のシステムや部門で個別管理されており、完全なゲストジャーニー体験を提供することが困難でした。

これらのデータを統合することで、共通の視点でよりインテリジェントで場面や状況に応じた対応が可能となります。時間とともに、よりパーソナライズされたお勧めやゲストの意向に沿ったコミュニケーションが可能となり、会話型AIでもゲストの嗜好や過去の履歴に沿った体験が可能となります。

重要なのは、私たちのAIに対するビジョンは人間による体験を置き換えるのではなく、より拡大することになります。AIの役割は定常業務をこなし、私たちのチームに気づきを与え、より多くのゲストにパーソナルな体験を提供できるよう支援してくれます。また、ゲストにはいつでもスタッフとコミュニケーションが可能な環境を提供します。

Q5: デジタルジャーニーの中でゲストがAIとチャットする機能はますます重要になっています。会話型のAIがゲスト体験をどのように向上させ、またゲストの要求がスムーズに実行できるよう、どのように業務管理システムと連携していますか?

会話型のAIシステムにより、ゲストは必要な時にいつでも簡単にホテルとコミュニケーションが可能です。これは、到着前、滞在中、チェックアウト後も可能です。ゲストはますます迅速な回答を求めており、AIはチェックイン情報やホテルの施設に関する問い合わせ、レストランの予約や近隣のお勧めまで、定型的な問い合わせに24時間対応で回答できます。

また、重要なのはAIが単独で対応しているのではなく、ホテルの業務管理のエコシステムと連携していることです。そこでゲストからの要求は対応するオペレーション部門へ転送されます。ゲストがタオルを要求したり、修理の依頼をすると、これらの要求はホテルの業務管理システムに入力され、チームメンバーで履歴を見て、優先度をつけて、効率的に実行します。

これは、ゲストにとっても、スタッフにとってもより連携された体験を提供します。ゲストは同じ要求を違う部門に繰り返し伝える必要が無く、スタッフも要求内容と進捗状況を目視できます。その結果、対応時間が短くなり、部門間の連携も良くなり、ゲストによりシームレスな体験を提供できます。

出典:Hospitality Technology
https://hospitalitytech.com/why-ps22b-hotel-enterprise-bypassing-app-stores-native-mobile-wallets

(注) 本記事は海外のホスピタリテイ業界関連情報をもとに、要約し翻訳してご提供しています。原文については、出典元をご参照願います。記事内の企業名、写真、ロゴは各社様に帰属します。本記事の開示先を限定しております。開示先以外への転用、公開は禁止させていただきます。

Note: This article is based on hospitality industry news and articles from sources described herein and translated to Japanese. To access to the original document, please refer to the source described herein. Copyright of photo and logo belong to each company. This document is for designated party only and not for public release and any copy or transfer of this document is prohibited.

← ニュースレター一覧へ